2005年08月19日

昔のこと

帰郷するたびに言われるセリフがある。

「お帰りはおひとりですか?」

一度だけ、「2人で…」とボケたら、
騒然となったことも。

余計なお世話だとも思いつつ、
親戚縁者でも、25歳Overで独り身なのは、
なんとオレだけとなってしまった今日この頃。

盆や正月といった、大量の人員が集まる時期には、
確かに手持ち無沙汰というか、何やらこころもとないのも事実である。

結局毎回、子どもたちのお相手に奔走する羽目になるのだけれども。
おかげさまで、幼児と老人には大人気です。


ま、田舎は婚姻ごとが早め早めではあるのだが、
ちょっと帰省期間を長めにして滞在していると、
なんだか、結婚時期が遅い首都圏の方が異常なのでは…と
洗脳されてくる。

そして今回、昨年結婚の(結婚式では私が友人代表スピーチもした)
最親友におめでたが発覚。
まだ妊娠8ヶ月ながら、すでに名前まで決めている幸せ街道ばく進のご様子。

周囲の幸せっぷりを眺めつつ、素直に祝いたい気持ちは湧いてくるんだが、
自分がそちら側のプレーヤーになろうとはあまり思えてこない。

別に女性が嫌いなわけではない。むしろ大好きであります。
余談だが、以前真剣な顔で
「ずっと男色系なのかと思ってました♪」
と言われたことがある。
いや拙者、ノンケですから!つーかそんなツッコミは期待してませんから!

ただ、躊躇なく問答無用に相手を好きになることには抵抗がある。

トラウマというか何というか。

大学三年の秋、そう、21の秋ですね。そこで体験したことが
未だに尾を引いているんだろうか。

若かった、ただひたすらに若かった、それも紛れもない事実。
されど、それゆえに刻まれた衝撃は、あまりに重かった。


時計をさらに巻き戻すとしよう。



彼女との出会いは、大学一年の夏。

「稲妻に打たれた」

なあんて陳腐な表現が、己の身に降りかかろうとは。


彼女をひと目見た瞬間から、
もうヤラレてたのですな、これが。

たまたま学部が同じで、共通の知人もいたせいで、
そのうち一緒に授業受けたり、ゴハン食べたりが当たり前になっていった。

好きな作家とか、聴く音楽とかもモロかぶりで。
モノゴトの考え方とか、大事にするモノとか、要は価値観的なものが
結構近いのもあって。
一緒にいるだけで楽しくて仕方がなかった。

でも、彼女と一緒にいられるのは、ほんの短時間。
休日のデートなどはあり得なかった。


そう、彼女には素敵なカレがいた。


2つ年上のカレは、スポーツ万能で頭もキレる。
男のオレから見ても、抜群のイケメンだった。

彼女がカレの自慢をするたび、
彼女がカレの不満を口にするたび、

オレは顔だけ笑っていた。
こんなに近くにあっても、決して届かないこの感情。
それでも、自分の好きなコの側にいられるだけで
十分なんだと言い聞かせて。


とはいえ、カレの誕生日プレゼントの相談とかは
発狂しそうになったりもしつつ。

そんなこんなで2年近くの月日が過ぎていった。





その間、オレはオレで何人かのコと付き合ってはみた。
皆いいコで、可愛かったと思う。
でも若すぎたオレは、どうしても彼女とくらべてしまっていた。
知らず知らずのうちに。

そして愛想を尽かされる、というパターンの繰り返し。

もったいない。



「また振られちゃったよー」
と彼女に言うと、
「どうせ高望みすぎるんでしょー」とかいうツッコミをされたり。
オレの望みは…口に出せるはずもなく。

この関係を、側にいられるこの状態を、
壊してしまうことだけはしたくなかった。


そんな大学三年の初夏だった。




「私…カレと別れたの」
「は?」

いくつになっても、アドリブのきかないオレ。

「浮気されちゃった。どうしても許せなかったの」
「な…なんでこんな可愛い彼女がいながら」
「カレは向こうから誘ってきたって言ってるけど、関係ないよね」
「まあな。結果は同じだからな」

これほど、さみしそうな、哀しそうな彼女を見るのは初めてだった。
でも、、、そんな彼女さえも綺麗だと思ってしまうオレがいた。

「ま、男は星の数ほどいるから、元気だしなよ」
「ふふ。ありがと。キミが私のカレだったらよかったのにね」

             キター
             キター
             キター

「はは。心にもないこというんじゃねーよ」

内心はガクガクブルブルだった
彼女の心に空いてしまった穴が言わせたセリフだったしても、
オレにとってはヘビー級の右ストレートだった

「冗談なんかじゃ、、、ないんだけどな」

非常事態発生です、姐さん!
もう当方の処理能力では対処しきれません!
至急応答願います!

なんだこの展開は。
昼ドラかこれは。

ホントにいっぱいいっぱいな状況に、オレは笑って誤魔化すしか
為す術がなかったのだった。

その場は黙って別れた。

「ずっと前から、会ったときから好きだった」
とでも言えばよかったのか。
彼女だって、別れたショックから冷静さを欠いていたに違いない。
あそこで無理に急展開させたとして、
今の関係をぶち壊すのだけはなんとしても避けたかった。

しばらく、考える日々が続いた。
長く一緒に居すぎたせいで、
今さら告白なんぞ、できそうもない。


オレは手紙を書いた。
分量にしたらそう、原稿用紙4,5枚になるんじゃなかろうかと
いう物凄い長さ。
自分の彼女に対するこれまでの思いをただひたすらに書き連ねたものだった。

さてこれをどうするか。
思い余ったオレは、なんと彼女に渡してしまう。

「ちょっとコレ読んで」
「なんなの改まって」
「いいからいいから」
「ちょっ…えっ…」

無言で手紙に目を落とす彼女。
時間がひどくゆっくり流れてる気がした。

「なんとなく分かってた」
「へ?」
「とっても嬉しい」
「そう」

「次の日曜日、どこ行く?」
それが彼女のOKサインだった。


夢にまで見た光景が、オレの前に広がっていた。
ずっと好きだった女性が、
オレだけを見ている。
信じられなかった。

だが、それは確かに、信じてはいけない日々だったのである。


付き合いだしてから3ヶ月、ある噂を耳にすることになる。

「お前の彼女さあ、別の男と歩いてたぜ」
「見間違いじゃねーの」
「彼女の女友達も見た、って言ってたぜ」
「歩いてただけじゃ、別にどうってことないだろ」
「手ェつないでた、って話だぞ」

そんなはずがない。
元カレの浮気に泣いた、
彼女に限ってそんなことだけは絶対に。


「こないだの休みさぁ、何してた?」
「ずっと家にいたけど」

アリバイチェックをしてしまう自分に嫌気がさしたが、
彼女の疑惑が晴れるなら、ただそれだけを念じていた。

「●●にいたって話だけど」
「えーっと、あ、そうそう、その日はそうだったね」

一度綻んだ信頼という絆は、
元に戻そうともがけばもがくほど、
さらに綻びを増していく。


そして滅びの日はやってきた。


すべては幻だった。
まず、彼女には男が3人いた。

オレはそのうちの一人にすぎなかったのだ。

さらに。
元カレとの別れた原因は、
彼女の側にあったのだった。

そう、彼女の浮気がカレにばれたのだった。


自分が2年と少しの間、彼女だと信じていたものは、
とんだまがい物だったのだ。

でも、どうして。。。


どうしても信じることができず、
彼女に問いただす。


「どういう…ことなんだよ」
「もう分かってるんでしょ」
「嘘…だろ」
「バッカじゃないの。おめでたい男ね」

今まで見たこともないような形相の彼女がそこにはいた。

「私が運命の女だとでも思ったワケ?」
「・・・・・・・」
「あの長い手紙、キモかったわぁ」
「・・・・・・・」
「ま、アンタのおかげで●●くんと仲良くなれたからよかったけど」

もう何も聞きたく、なかった。



女を見る目がなかったのだと人は言う。
オレが若すぎたのだと人は言う。

思い出はいつだって残酷だ。
否応なく、人を過去へと引き戻す。
二度と変えることも、取り戻すことも
できはしないというのに。


オレは怖いんだろう。
感情を預けた相手に裏切られることが。
思いの矛先を失ってしまうことが。


とか何とか言いつつも、すべては親への言い訳ということで。


posted by andycandy at 02:00 | Comment(10) | TrackBack(2) | あの日のデキゴト
この記事へのコメント
合コン開催しちゃる!
Posted by Tetsu-chan at 2005年08月19日 07:19
(ノ∀`)アチャー

恋愛ってある種勢いとタイミングだから、最初の取っ掛かりででかい躓き方すると、えらいトラウマになったりすることあるよねえ。
その人の個人的魅力とはまったく別物で。
Posted by KATUKI at 2005年08月19日 09:01
あいたたた。。
そのまま小説になりそうやね。
まあ、自虐ネタにしているくらいだから、
もはや自分の中では昇華してるのでは。
Posted by ひかぽん at 2005年08月19日 11:50
号泣。
今度その手のネタで朝まで飲みましょう。ええ、いろいろありますよ。
Posted by KAI at 2005年08月19日 12:27
切なすぎて言葉もございません・・・。
辛い思い出って時として、昨日起こったことの
ように蘇って、急にどん底に自分を落とすことが
あるけど、それはあくまでも過去だからね。。

今度その手のネタで朝まで飲みましょう。
Posted by ue at 2005年08月19日 20:41
こんにちわ、ミクシーから来ました。お友達の、お友達です。(笑)

しかし…今回のブログ…すごくずっしり来ました。。。
恋愛はいつになっても難しいですよね。そりゃー相手がいたって他の人を好きになることもありますよね。
でもこれだけは反則!と思うのは
「実は好きじゃなかった」
っていう言い方。。。他に恋人がいても、せめて
「その瞬間は本気だった」
って言ってほしいですよね。だからひこいちさんの落ち込みぶり、よく分かります。一度は好きだったり好かれたりした相手に「おめでたい」って、そんなこと言えるなんてひどいですね。

でもひょっとして、彼女は何か悪役を演じたかったのかもしれません。よっぽど変な人でない限り、三股なんて体力もたないし、理由があったのかもって思います。

しかし、まだ25ですか!全然まだ、出会いはありますよ!むしろこれから!大事なのは、きっと
「恋愛はこんなもんだ」「女はどうせ」
って思わないことかな、って思います。
がんばってください。
Posted by ごっちん at 2005年08月21日 20:04
>てっちゃん

夜露死苦。

>かっちゃん

別件でご意見頂戴したい件あり、
9月入ったら一席をば。

>ひかちゃん

いやー、
たまにフラッシュバックとかな…
するですよ…

>かいちゃん

しこたまビール飲みませう。
まぢで。

>うえちゃん

おうおう、一升瓶もってかかってこいや!(遠い目)

>ごっちんちゃん

どーもです。
長文でありがとうございます。

いやはや、勉強になります。。。

>でもひょっとして、彼女は何か悪役を演じたかったのかもしれません。

なるほど。そうだとどれほど救われることか…
私も最初は信じられなかったんですけどね…

後日談がまだありまして、それでもう、アチャー、って
感じですわ。

>しかし、まだ25ですか!

すいません、当方もう27だったりするんですよね…

あはははは…(とりあえず笑ってみる)

>大事なのは、きっと
>「恋愛はこんなもんだ」「女はどうせ」
>って思わないことかな、って思います。
>がんばってください。

がんばるっすー
Posted by andycandy at 2005年08月21日 23:09
こりゃ、その女性を上回る上玉と付き合わないと一生引きずりそうやね。といって紹介できるタマなんぞないのだが。
Posted by はなかべ at 2005年08月22日 16:42
えー、後日談…それはさらに追い打ちですか?!
あ、年齢間違えてましたね(^^;
“25歳Over”のoverを読んでませんでした。
でも27なら…あんまり変わらないですよ!!
Posted by ごっちん at 2005年08月23日 12:45
うはー。全米が泣いた!
当方にも見に覚えあるような無いような切ない気分。

また、拳で語り合いましょう(鉄拳5で)
Posted by isao at 2005年09月12日 12:59
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Weblog: Tom-Style
Tracked: 2005-08-21 23:00

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