2005年10月09日

昔のこと15


彼女には、将来を誓い合った男が居た…

はずだったのだ。


商社勤務にてルックスも良い。
そんな男が傍らに居た…

はずだったのだ。


付き合って約2年が過ぎたころ、
彼女は自分の異変に気付く。

そう、男との間に子を授かったのだった。
男は三十路を越えていた。
結婚するかどうかは、彼女の考え次第…

のはずだったのだ。


男に妊娠を告げる彼女。

男の喜ぶ顔が見れるとばかり思っていた彼女に、

男の言葉が突き刺さる。

「オレにも子どもが居る。もうすぐ4歳と2歳になる」

追い討ちをかけるように、男は言葉を継ぐ。

「もちろん妻も、な」


呆然とする彼女。
眼前で何が起きているのか理解できない。


「だから」
「産んでもらうわけにはいかない」


「あとで」
「金を振り込んでおく。それであとのことは」
「処理しておいてくれ」


「もう会うこともないだろう」


そして男は姿を消した。




posted by andycandy at 14:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | あの日のデキゴト
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